毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2026
(218回臨時国会~221回特別国会総括)

第3章各分野の対応

24 財務金融・税制・経済財政

「底上げ型経済成長」に向けた税制改革を提言

 立憲民主党は2025年、税制調査会を中心に、各部門会議等で、関係団体から2026年度の税制改正に関する要望をヒアリングした上で、「2026(令和8)年度税制改正についての提言」を取りまとめた。

 提言は、GDPの5割強を占める個人消費(「暮らし」)と雇用の約7割を支える「中小企業」の底上げなくして日本の経済・社会の本格的な再生はあり得ないとの基本認識の下、①暮らし応援、賃金・所得の向上―物価高を乗り越える、②中小企業を強力支援―生産性向上・成長力強化、③公平・納得の税制改革―成長を阻む「歪み」を正すの3本柱で構成した。具体的には、臨時・時限的な食料品消費税ゼロと「給付付き税額控除」の導入、与野党合意に基づくガソリン・軽油の暫定税率廃止、防衛増税の撤回、中小企業における賃上げの実効性を高める「シン・賃上げ促進税制」の創設、中小企業のDXを促進する税制措置の強化、「1億円の壁」の解消に向けた金融所得課税改革などを主張した。

 本提言については、政府・与党の税制改正大綱の決定に先立ち、財務大臣に申し入れた。また、少数与党下での初の試みとして、自民党の税制調査会長との会談も実施した。

 その後、政府は2025年12月26日に「令和8年度税制改正の大綱」を閣議決定し、同大綱に基づき、221回特別国会に「所得税法等の一部を改正する法律案」を提出した。

 同法案には、物価上昇率に連動した基礎控除の引き上げや、「1億円の壁」対策をはじめ、立憲民主党が主張してきた内容が盛り込まれたところもあり、一定程度評価できる部分もある。しかしながら、依然として物価高騰が国民生活を圧迫する中で、とりわけ、防衛特別所得税の創設(防衛増税)を「家計の負担増にならない」との詭弁の下に断行することは、国民生活軽視にほかならず、到底容認できるものではなかった。加えて、既に決定された防衛特別法人税の創設とたばこ税の増税により、防衛力整備計画に基づき税制措置で賄うことを予定している防衛財源(1兆円強)は確保できる見込みであることを併せて鑑みれば、現在の厳しい経済状況で国民に新たな負担を求める合理的根拠はもはや存在しなかった。

 こうした認識に基づき、立憲民主党は他党と共同で、参議院財政金融委員会に防衛増税の凍結を図る修正案を提出したが、否決された。立憲民主党は同法案に反対したが、与党等の賛成により、3月31日、原案通り可決・成立した。

「食料品消費税ゼロ法案」を提出

 立憲民主党は2025年の参議院議員選挙公約で、①1人当たり2万円の「食卓おうえん給付金」を迅速に給付した上で、②原則1年・最大2年にわたり食料品にかかる消費税を8%から0%に引き下げ、③その後隙間なく「給付付き税額控除」に移行するという「3ステップの物価高対策」を掲げた。この公約の実現を図るため、立憲民主党は、議員立法「飲食料品に係る消費税の税率を引き下げて零とする臨時特例の創設及び給付付き税額控除の導入に関する法律案」(食料品消費税ゼロ法案)を219回臨時国会に提出した。

 なお、公約として掲げた時点では、減税の開始時期を2026年4月1日からとしていたが、その後、一定の時間が経過したことに鑑み、政調会長を座長として立ち上げた党内の「消費税負担軽減対策チーム」で関係団体からのヒアリング等も実施した上で、本法案では2026年10月1日から減税を開始することとした。

新しい金融政策WTで「植田日銀」を検証

 この間、立憲民主党が2023年に取りまとめた提言「新しい金融政策」に概ね沿う形で、「異次元の金融緩和」からの転換など、金融政策の修正が行われてきた。しかしながら、2025年9月の日本銀行によるETFの売却方針決定、「アベノミクス」の継承者である高市首相の誕生など、金融政策に関する状況は変容しつつあった。

 これを受けて、「新しい金融政策」のアップデートを図るべく、2025年11月、財務金融部門の下に新しい金融政策ワーキングチームを再設置し、折り返しを迎えた「植田日銀」の総括・検証を実施した。

財政民主主義の観点から特例公債法の修正を提起

 政府は221回特別国会に「財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案」(特例公債法改正案)を提出した。本法案は、特例公債の発行期間を5年間延長するものであるが、我が国の財政は、債務残高対GDP比が200%を超過するなど、かねてより厳しい状況にあることに加えて、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」により、市場の信認が揺らぎ、急速な円安や金利上昇が進行する事態を招くなど、深刻さを増している。こうした経済・財政の状況に鑑みれば、特例公債の発行期間は1年間とし、毎年の国会審議を経た上で政府に発行権限を授与する方が、財政民主主義、あるいは市場の信認維持の観点から妥当である。

 こうした認識の下、立憲民主党は他党と共同で、参議院財政金融委員会に、特例公債の発行期間を1年間とする等の修正案を提出したが、否決された。立憲民主党は同法案に反対したが、与党等の賛成により、3月31日、原案通り可決・成立した。

「日本版CFIUS」の創設に向けた外為法改正に賛成

 政府は221回特別国会に「外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案」を提出した。同法案は、アメリカの対米外国投資委員会(CFIUS)に倣った省庁横断の執行体制の構築など、対日直接投資に係る審査制度を高度化することを目指すもので、この間に生じた事例を踏まえた上で、安全保障等の観点からの対応強化と、審査の効率化・合理化等による対日直接投資の促進を図るものであることから、立憲民主党としても賛成した。同法案は、与野党の賛成多数を以て、5月29日に可決・成立した。

スルガ銀行不正融資問題の早期解決に向けて

 スルガ銀行不正融資問題については、裁判所から問題解決に向けた調停勧告が示されるなど、一定の前進は見られたものの、なお不正融資による多額の債務が残る被害者も多く、全面的な解決には程遠い状況にあることから、立憲民主党は、参議院財政金融委員会におけるスルガ銀行代表取締役社長に対する参考人質疑の実現など、問題の解決に向けて尽力した。

2025.12.08 「2026(令和8)年度税制改正についての提言」を財務大臣に申し入れ
2025.12.08 「2026(令和8)年度税制改正についての提言」を財務大臣に申し入れ
2025.12.08 少数与党下での初の試みとして、立憲・自民 税制調査会長会談を実施
2025.12.08 少数与党下での初の試みとして、立憲・自民 税制調査会長会談を実施