毎年9月頃に発刊国会レポートDiet Report

立憲民主党
国会レポート2026
(218回臨時国会~221回特別国会総括)

第3章各分野の対応

25 文部科学

給特法等改正を受けて

 2025年の217回通常国会で政府から提出された「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案」(給特法等改正法案)は、教職員の教職調整額の段階的引き上げについては明記されたものの、業務削減や長時間労働改善の観点で不十分であった。このため、立憲民主党から修正を求め、①1カ月の時間外在校等時間を平均30時間程度に削減することを目標とし、教職員1人当たりの担当授業時数の削減、教職員定数の標準の改定等の措置を講ずること、②公立中学校の35人学級の実現に関する法制上の措置について明記することなどの修正が行われた。

 給特法等改正を受け、2025年9月に「公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針」(上限指針)が改正され、時間外在校等時間の達成目標が掲げられるとともに、「学校と教師の業務の3分類」が同指針に位置付けられた。これらを踏まえ、文部科学部門会議で給特法等改正の進捗状況についてヒアリングを行い、修正部分が確実に実施されるよう随時進捗状況を確認していくこととなった。

 また、現行のカリキュラムが子どもや教職員に過大な負担をかけている。学習指導要領の見直しが、今後の教育の在り方や教職員の働き方に大きな影響を及ぼすものであることから、立憲民主党は、次期学習指導要領(論点整理)についてヒアリングをし、授業時数の在り方等について意見交換を行った。

 221回特別国会には、公立中学校における35人学級化を行う「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案」が政府から提出された。立憲民主党が217回通常国会で給特法等改正法案を修正した内容そのものであり賛成し、政府案は原案通り可決・成立した。なお、①小中学校の一層の少人数学級化、②教職員数の充実および財源確保、③教職員の持ち授業時数の軽減、④正規教職員の計画的・安定的な採用・配置等について附帯決議を付した。

高校無償化への対応

 高校授業料無償化について、立憲民主党は、家庭の経済力に左右されず、誰もが同じスタートラインに立てる社会の実現を目指し、所得制限のない高校授業料の無償化を訴えてきた。そして、217回通常国会で、高校授業料について、①高等学校等就学支援金の所得制限の撤廃、②私立高校については、①に加え、授業料の全国平均である年額約45万円までの支援、③公立高校等への支援を充実させる観点から、老朽化などの対策が必要な公立学校への施設整備支援を増額すること等を内容とする、「高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案」および「義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律の一部を改正する法律案」を衆議院に提出したが、廃案となった。

 221回特別国会で政府から提出された「高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案」は、所得制限の撤廃、私立高校への支援額の引き上げについて、217回通常国会で立憲民主党が提出した法案とほぼ同内容であったことから、賛成し、政府案は原案通り可決・成立した。なお、①教育の機会均等の観点も含めた検証・検討、②所得制限の撤廃により格差が拡大しないよう努めること、③申請手続において対象者が漏れることがないよう配慮すること、④自治体や学校現場の事務量増大への対応、⑤私立高校における合理性のない授業料値上げへの対応、⑥教育費負担の軽減および教育予算のさらなる充実、⑦本法支援対象外の外国人学校等への予算措置による支援継続等の附帯決議を付した。

諸課題への対応

 国立博物館・国立美術館の新たな中期目標(令和8~12年度)や「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」の附則に基づく施行後3年見直しに係る検討状況、多文化教育、デジタル教科書等の諸課題についても積極的にヒアリングと議論を行った。

 また、221回特別国会では、生徒数・学校数が増える一方で、管理運営面の課題が指摘されている通信制高校について、衆議院文部科学委員長から、学校設置者の管理運営の責務を明確化するとともに、文部科学大臣による基本指針の策定等を内容とする「高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案」が提出され、立憲民主党も賛成し、可決・成立した。